試合で子供たちにかける言葉

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4年以下のジュニア世代をみています。
試合→練習→試合、いわゆるMTMメソッドを基本に指導しています。
JFAが推奨する、マッチ-トレーニング-マッチです。

サッカーを始めたばかりの子が多い、この中学年の世代は
出来る子、出来ない子の差が歴然としています。

欲を持ち、技術を習得しようと努力する子はそれなりに伸びて行きますが、
欲もなく遊びの延長としか捉えてない子は、何ヶ月経とうとあまり上達しません。

意識の差が違う子たちが混在する事は、教える上で、なかなか難しいものです。
とにかく、呆れるほど同じ事を黙々と繰り返しやって行く事が必要だと考えています。

飲み込みの早い子は、「コーチ、またこの前と同じ練習なの?つまんない。」とグチを叩かれますが、
レベルの違う子を1人で見なくてはならないのですから、辛抱強くいくしかないと思います。

そして、練習を試合で生かしてくれたら良いのですが、体得するまでは試合で出せません。
うちの選手の中で多いのは、相手の出方を伺ってしまう事です。

相手が何をやろうとしているのかを見極めてから行動に移す。
これはこれで良いのですが、実際の試合でこんな事を考えていたらすぐに相手に抜かれてしまいます。

いつも言っている事は、
「相手より先にボールに触ろう」
「もしもボールを取られたら取られた人が責任を持って必死で取り返そう」
「声をかけよう。周りの選手と会話しよう!」です。

「失敗を怖がらずにチャレンジしてごらん。もしも失敗しても、それは君の責任じゃないから
俺は叱らない。コーチが教えていないから失敗するんだよ。コーチの責任だから・・・」

どうしても声の出せない子がいます。
慣れないせいもあるでしょう。恥ずかしさもあるでしょう。よく日本人はシャイだと云われます。
しかし、応援側で大人も率先して声を出していたら、そのうち子供に伝わっていきます。

応援にくる大人も子供たちの成長に非常にプラスになります。
黙って見ているよりも、自分の子をまずは応援してください。
慣れてきたら他の子の名前も憶えて応援しましょう。

繰り返すことで、そのうち、チーム全体がひとつになります。
こうなってきたらしめたものです。

だんだんと試合にも慣れ、動けるようになってきたら
「ボールを受けたor奪ったら、パスかドリブルか判断しよう!」
現場に合わせた状況判断です。

状況判断する為には、周りを良く見て分析する事が大切です。
敵がどこにいるのか、味方がどこにいるのか。

その敵は、自分に比べて足が早いか、技術はどうか。
それを総合的に判断して、パスするか、ドリブルするかを決めます。

ドリブルする技術が未熟で自信のない場合、ドリブルという場面でもパスになってしまいがちですが、
そこをあえてチャレンジする子は伸びます。出来るだけチャレンジさせます。

大切なのは、相手をよく観察する「目」です。洞察力です。
これは、試合でいろんな相手を見ないとわからないでしょう。

つまりは経験です。

そして、これはメンタル面ですが、
「絶対に負けないんだ」
という気持ちです。

なかなかこれを教えるのは難しいので、
「お前たちのほうが、相手チームより上だから負けるはずがないよ。」
「あれ、上手になったじゃん。もう一回チャレンジしたらどう?」

その気にさせるという事も時には大切です。緊張を解す効果もあります。
煽てるのもひとつの戦術だと思います。

ベンチで「褒めちぎる!」
これもジュニア世代には効果があると思います。 

「いいねいいねえ!」「どこで覚えたの今のプレイ?最高だったよ」「ブラボー」
「うまいうまい。ナイスプレイ」「すごいじゃん」「やるね」「いいよいいよ。その調子」

歯が浮くくらいに褒めちぎる。やる気を出させるというか、結構効果があります。
時には見たこともないプレイをやってくれたりします。

言ってて笑っちゃったりしますが、子どもは褒められれば嬉しいものです。
たまにしか見に来ないお父さんの前で褒められたら勇気が出ます。やる気にさせます。 

試合に勝てば、大人だって子どもだってみんな気持ちよいですよね。
少しくらいのミスなんか水に流してしまえます。

勝った時は良い所だけを褒めて、あまりミスした事を言わないでおいたほうが良いと自分は思っています。
お母さん、お父さんを含めたチームの良い雰囲気が大切だと思っています。

試合に負けた時。
これが一番難しい所です。

どんなに頑張っても勝てない相手が必ずいます。上には上がいる。
子供たちは、涙をこぼす子、俯いたままの子、咳込む子、放心状態の子、なんだかよくわからない子と様々です。

とりあえず苦労をねぎらい、よくやったぞとひとりひとり声をかけます。
よく落ち着かせて、その上で、ゴールされたシーンを振り返り、あの時、どうすれば良かった?
未然に防ぐ事は出来なかったのかな?と優しく問いかけます。

同じ失敗を繰り返さない為、シーンを思い出させ、次に備えるのです。
「じゃあ、次は出来るね。信じてるよ。」「失敗を恐れずにチャレンジしてごらん」

こうやって子供たちと対話し、同じ目線に立ち試合の中で経験を重ねて行きます。
そして試合で出来なかった事を練習で何度もチャレンジさせます。

しかし、何試合やっていっても、出来ない子は出来ず、伸びる子は伸びます。
不器用な子が必ずいます。たぶん、時間をかければ出来るようになると信じています。

出来る子だけに目を向けて出来ない子を見捨てるのは出来ません。
どうしたら出来ない子も出来るようになるのか。辛抱強く待つしかないと思っています。

それが小学生で叶わなかったとしても中学生で気付き、変わる事だってあるはずです。
子供たちの可能性を最後まで信じたい。指導する立場だからこそ、絶対に弱音を吐いてはならない。あきらめない。

そう思っていつも子供たちの指導にあたっています。
このジュニア世代に結果など求めてはならないのです。

次の世代に繋がる育成。それは言葉で表すほど単純なものではありません。
まずは基本的技術。そして体力、忍耐力。協調性。あきらめない気持ち。

とにかく真剣に子どもたちに向き合い、本気で接していくことだと思います。
何年やっていても子どもたちに逆に教わる事も多く、一筋縄ではいきません。

これからも前向きに真摯に謙虚に指導していこうと思っています。

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