ここ最近、味の民芸が店舗を減らしている。
自分が最初に利用したのは今から25年ほど前。
冬の寒い中、凍えながら福島県郡山市で初めて入った。( ((-。-) ))ブルブル...
看板を見て浮かんだのは、なんか懐かしく優しい感じ。
こけしとか、人形でも店舗の片隅にでも売っているのだろうと思った。
入ってメニューを見るまで、うどんの店だと思わなかった。
でも、食べてから一発で味と雰囲気が気に入った。
訪れた時期が冬だったので、熱いものが食べたかったのもあるが、
けんちんうどん、味噌煮込みうどん、ちゃんぽんうどんなど、寒さを吹き飛ばしてくれるメニュー。
角がなく、優しい味のうどんは心まで温めてくれたっけ。
それからというもの、すっかり気に入り、家族が出来てからも子供を連れて何度も足を運んだ。
家族連れに最適な「座敷」があることも他の店より足が向く条件のひとつだった。
小さい子を連れてレストランに行くと周りにも気を遣うし、親も大変だ。
座敷は区切られていたり、周囲に気を遣わずに済む。食べてすぐに眠くなる子供にも最適なのだ。
姿勢も椅子だときちんと座らないといけないが、座敷なら楽な格好が出来る。
大人だって足を崩して座るのは、楽なものだ。基本的に座敷の店が私は好きだ。
和食に限らず、もっと幅広い業種で増えてもいいのにと思う。日本の伝統文化だ。
メニューは季節毎にバリエーションが豊富で飽きることがない。
ミニ天丼やミニマグロ丼など+一品で男性客にも配慮されている。 具の一品一品が手作りを感じさせる。
天ぷらなど他のチェーン店には真似が出来ないその場で揚げたこだわりの味だ。
つゆも出しがしっかり効いていて化学調味料の味を感じない。
しっかりと鰹の風味が生きている。
手延ばし麺という岡山県発祥のうどんらしいが、一本一本が長くてつるつるしこしこ。
麺の両端が三味線のバチのように広がっている。こだわりを感じる麺。
ただ、途中から入れてきた「そば」は頂けない。うどんに比べたら「そば」はお客に言われて
無理やりに取り入れたメニューなのだろう。そばを食べたければ蕎麦屋に行くのでやめた方がいい。
味の民芸は「うどん」にもっと拘るべきだ。いろいろと手を広げないほうがいいと思う。
「うどん」が食べたくて行くのだから。手を広げると調理の手間が増え、一品一品の
クオリティが下がると思う。
そんな感じでずっと利用して来た味の民芸だが、ここの所、店舗が減っている。
いつも利用していた不動前店がいつのまにか前を通ったら灯りがついていない。
店舗はあるが看板が外されている。
思い起こせば10年ほど前に鶴田店が閉店したが、不動前店だけは元気に営業していた。
お客も鶴田店よりも入っていたと思う。競輪場の下にもあったがいつの間にかなくなった。
宇都宮に今でもあるのは帝京大前店だけのようだ。
一昨日は、小山に行った帰り、急にうどんが食べたくなり、城南店に食べに行ったのだが、
ここもいつの間にやらなくなっていた。残念である。
最近、セルフの格安うどん屋が乱立している。丸亀製麺や、はなまるうどんが若者を中心に流行っている。
もともとうどんというのは立ち食い蕎麦に代表されるような大衆食であり、値段も低価格だ。
しかし、外食産業の発展に伴い、付加価値を付け、800円から1200円という値段で売る店が増えた。
時代は変化し、低成長時代に入った。セルフサービスという利点を生かし、人件費を省き、
バリエーションこそ少ないが、トッピングで幅を広げ、格安で売る店が増えた。
個人的に残念だが、味の民芸は、その波について行けなくなったのだろう。
これ以上、店舗を減らさず、なんとか頑張って営業していってほしいと思う。
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