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お父さん監督のメリットとデメリット
はじめに
少年のサッカーチームは、監督を誰がやるのか?という問題が起きた時、それを解決するのに大きく分けて二通りあります。
ひとつは
①外部の専門家、又はOBにお願いする方法。
もうひとつは
②手っ取り早く、お父さんの中から選出する方法
です。どちらにも一長一短があります。
筆者はどう思うのか?
私のチームは、何年か前までは①でしたが、最近では②でやっています。
どちらも経験した上で言えることは、出来れば①が良いと個人的に思います。
なぜなら、チームに子供がいるということは、必然的に妻とママさんとの繋がりがあり、監督という中立を保たなければならない立場にある者にとって、いろいろ耳にしたくないことが入ってくるからです。
自分が聞いて嫌だと思うことは、自分だけで我慢していれば良いことですが、組織の中にいる以上、大切な伴侶にも届いてしまうものです。
自分の子を出す出さないという単純なことから、誰々だけ特別扱いしているとか、うちの子よりあの子のほうが叱られて当然だとか、なぜあの時にあのような采配をとったのか?とか。
数え挙げればキリがありません。
これが、OBや外部の方のような第三者に頼んだ場合なら、言って良いこと、悪いことは、きちんと弁(わきま)えられるのですから、人間とは不思議なものです。
大切なことは、チームとして、どちらがうまく行くのか?ということです。
もっと細かく言うなら、自分の子にとってどちらが良いか?ということです。
同じチームだが、自分の子がいない学年の監督
私は、外部の方が監督というのも、同学年のお父さんが監督というのも経験しました。
自分の子が在籍しない学年の監督も務めました。
その上で言わせて貰えば、自分の子が在籍しない学年の監督の方が、格段にやりやすかったです。
悪口も時には耳に入ってきましたが、自分の子と同じようにチームの子たちを可愛がっていましたから、ママさんや父兄方も言いたい言葉もあったでしょうが、その真摯な姿に感銘したかはわかりませんが、言葉を呑んでくれた、胸にしまってくれたのだと心から感謝しています。
あの時に、ああだこうだと耳に入ってきたら、長くは続かなかったと思いますし、自分の信念を曲げてまで子供に接することは、真っ白で純真な小さな子供たちに真摯に向き合わなくてはならない立場にある人間として指導する資格はなかったでしょう。
監督に関わらず、コーチとして純真で真っ白な子供たちの心に正面から向き合うには、自分が子供だった頃、大人は大きくて怖かったと感じたあのころに帰ることの出来る純粋な心を持っていなくてはならないと思います。
チームを良い方向に引っ張って行くために、監督は努力します。
それを横からチャチャを入れる大人がいたらうまく行くものも行かなくなっていきます。
大変なことを頼んでいるのですから、フォローや労いの気持ちを持って接して欲しいと思います。
子どもがいる学年のお父さんが監督
そう頭ではみんな思っていても実際にこれが同じ同学年の子供がいる保護者が監督だとするとどうでしょう?
私の経験からいうと、実際は、ここに「感情」というものが入ってきてしまいます。
協力しようと最初は思っていてもいろんなことが起きてきます。
上の学年のお父さんが監督なら少しは弁えるでしょう。ですが、同じ学年のお父さんだったらどうでしょう?黙って見ていればいいですが、監督は大変です。フォローもしなければなりません。
そうこうしているうちにふとしたきっかけで、言わないでおこうと思ったことが出てしまうものです。
今更ながら人間とはそういう生き物なのです。
でも、子どもや奥さんを通じていろんな情報が入ってきますからそういう意味では一番やりやすいのかもしれません。
誰ちゃんが学校で怪我した、誰ちゃんと誰ちゃんがこう言ってるあー言ってる、誰ちゃんのお父さんは、誰ちゃんのお母さんは・・・
このような情報は非常に大切です。しかし、聞かなくても良いような(自分にとって不都合な)情報がストレートに入ってくることも確かです。精神的に弱い人はキツイでしょう。
自分の子にとってどちらが良いのか?
自分の子にとってはどうでしょう。子供の立場に立ってみましょう。
監督の子ということで、特別に見られる可能性があります。
他の子が遊んでいても一緒に遊んでなどいられないでしょう。
模範とならなければ、他の子の統率がとれないかもしれません。
監督の子だって出来ないじゃん。監督の子が遊んでいるのになんで自分が叱られるの?監督の子だってリフティング出来ないよ。
監督の子だからいつも試合に出られていいよね。
監督の子だというだけで、そんなプレッシャーに晒される可能性があります。
なんといっても子供はのびのびと育てるのが一番です。
特にスポーツなら尚更です。がんじがらめの中でやらせるスポーツなど、良い選手が育つハズがありません。
家族にとってどちらが良いのか?
奥さんにとっても忍耐力がいることです。それなりに人間が出来ていれば割り切れるかも知れませんが、普通のかわいい奥さんが、そんな器用なことが出来るのは稀です。
周りのママさんがフォローに徹してくれたら良いのですが、これも上の学年なら出来そうですが、同じ学年となるとどうでしょう?人数が多かったりすると大変です。
適しているか適してないか?という問題もあります。旦那さんは社交的でも奥さんは内向的とか、夫婦で意思の疎通がなくてはなりません。それが元で喧嘩になるかもしれません。
お父さんが監督というのは、傍から見たらかっこよさそうですが、実は家族にとっては、かなりの負担を強いられるのです。ある意味、自営業と一緒です。
外部またはOBの人が監督
これは、完全に他人に任せるということです。
しかし、任された以上、責任をもってチームを引っ張っていってくれるでしょう。
また、経験者やプロから引退して指導者となった方に頼めば、技術的にも高度なレベルの習得が期待できるでしょう。
その分、親が監督というボランティアレベルとはいきませんから、おもに金銭面での契約が必須となるでしょう。
チームの目標とするもの。子供たちの人数、その他の環境により変わってくるでしょう。
一度、お願いする以上、最低でも一年は腰をすえてお願いする必要があります。
指導というのはロングスパンで捉える必要があります。
残された親、コーチはフォローに専念できます。
ママさんも余計な心配はいらなくなり、チームが明るくなるでしょう。
身内の小言が聞こえなくなるというのは、どんなにいいものか身をもってわかるでしょう。
まとめ
以上の事から、監督は保護者が行なうのが手っ取り早くて簡単ですが、出来る限り、外部の有資格者、またはOBの方、それも無理なら最低でも違う学年の有資格者で快く引き受けて下さる方に頼んだ方が、チームも保護者も万事うまくいくでしょう。
監督が伸び伸びとしてやりやすいチームが、結果的に自分の子、そしてチームを伸ばしていってくれるでしょう。
チーム内のつまらない余計な揉め事も無くなり、子供が、ストレートにサッカーだけに打ち込んでくれるものと思います。
周りの大人もサポートだけに徹することが出来ます。
もしどうしても同学年のお父さんが監督としてやらねばならぬ状況が起きた場合、周囲の方の大きなサポートが必要です。