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近年、経済大国として名目GDPで日本に倍以上の大差を付け世界第二位と躍り出た中国。
その著しい成長の影で痛ましい事件が後を絶たない。
引用
【7月27日 AFP】
中国中部・湖北(Hubei)省荊州(Jingzhou)市の商業施設で、エスカレーターを利用していた子連れの女性(30)が、突然床が抜け落ちてできた穴に転落し、死亡する事故が起きた。子どもは母親がとっさに押しやったため、無事だった。武漢晩報(Wuhan Evening News)が27日、報じた。インターネット上に投稿された防犯カメラの映像には、幼い息子を連れた母親がエスカレーターの稼働部分から下りた途端、床板が陥没する様子が映っている。男の子は体半分が穴に入った状態の母親によって前方に押しやられ、そばにいた店員に引っ張られて事なきをえた。
だが、エスカレーターはその後も運転を続け、店員の一人が女性の手を一瞬つかんだものの、数秒後に母親は床下に姿を消した。消防隊は4時間以上かけて女性を救助したが、すでに息絶えた状態だったと、同紙は伝えている。
また同紙は匿名の情報筋の話として、エスカレーターは直前にメンテナンス作業が行われたばかりで、作業員がカバーをネジで固定し忘れていたと伝えている。(c)AFP
エスカレーターを降りた途端、天板が抜け落ちていく瞬間
母親が子どもを守ろうと穴の外に追いやる咄嗟の行動に胸が痛む
ビデオの時刻を見ると事故から約15秒後。店員と子どもの姿はなく、母親はエスカレーターに飲み込まれた?
散乱しているゴミ箱?と清掃していた店員が放り投げたと思われる箒が痛々しい。
そして、問題はこの商業施設の店員の教育にもある。この動画を見るとわかるが、子どもだけ助けて母親が飲み込まれてしまっているのに緊急停止ボタンを押していない。恐らく停止装置が昇降口の下にあるはずだ。すぐに緊急停止していれば母親の命は救えたかも知れない。
被害に遭われたご家族、並びにご親族の皆さまに哀悼の意を表します。
【2015/08/04朝のニュースより】
今度はエスカレーターを清掃していた店員が同じようにエスカレーターの点検箇所の天板が外れて中に落ち、20分後に消防団に救出されたが、右足ふくらはぎ下を切断する大怪我を負った。
先日の母親が落ちて死亡した事故と全く同じシチュエーションだ。いずれも天板のネジの締め忘れという「うっかりミス」によるものだ。
こんなことで命を奪われるのはとんでもないことだ。ネジの締め忘れでスイッチが入ってしまうという構造自体が欠陥だ。日本のエスカレーターは乗降口最端部の左右に緊急停止用ボタン、異物検出時自動停止、過負荷時自動停止など安全対策には万全な対策をしている。中国のエスカレーターだって安全装置は付いているはずだ。
中国では昨年の1年間にエスカレーターとエレベーターに関連する事故が47件起きており、うち39人が死亡するという調査結果となっている。
安全面を軽視する管理体制のずさんさが問題になっており、早期対策が必要だ。構造自体の欠陥も疑われるが、機械に頼りきり、人災となっているのではないのか?
1.名目GDP1位は断トツのTopでアメリカ、2位は中国、3位は日本、以下、ドイツ、イギリス、フランス、ブラジル、イタリアと続く
2.一人当たり名目GDP1位はルクセンブルク、2位はノルウェー、以下、カタール、スイス、オーストラリアと続き、アメリカは10位、中国は80位、日本は27位。アジアの1位はシンガポール(世界で9位)、2位は香港(世界で24位)、3位はブルネイ(世界で26位)、4位が日本(世界で27位)